新着コラム

多様な彩りが特徴。上野焼の歴史に触れて

茶の湯からはじまる、静けさをまとう器 福岡県で作られ、多くの釉薬が用いられることが特徴の上野焼(あがのやき)。上野焼の始まりは、1600年代のこと。小倉藩主・細川忠興が朝鮮から陶工・尊楷(そんかい)を招き、福岡県の上野(あがの)の地に開窯したのがその始まりとされています。江戸時代には茶人...

慌ただしく仕事に追われても。丁寧さを手放さない毎日

暮らしと仕事に、やさしいリズムを。所作に宿る“丁寧さ”のこと 朝、急ぎ足で家を出て、帰ってきたときにはもう暗い。そんな日が続くと、暮らしのリズムがどこかに置き去りにされたように感じることがあります。 でも本当は、仕事と暮らしは切り離されているわけではなくて、日々の中で交差しながら、...

人生の節目に新しい器を。大切な瞬間を彩る特別な一皿

別れと出会いの季節、春 卒業式や入学式、転勤や引っ越し、新しい世界へ踏み出す人たちの背中を見送りながら、「おめでとう」と「いってらっしゃい」の気持ちを、器にそっと託したくなることがあります。食卓に並ぶ料理と器は、その日を記憶に残す大切な風景。だからこそ、人生の節目には、その瞬間にふさわし...

大切な人への特別な贈り物。喜ばれる器の選び方

“贈る”という時間が、暮らしの風景をやさしく変えていく 贈り物を選ぶとき、「なにを贈ろうか」ではなく「どんな時間を贈れるだろうか」と考えることがあります。器には、その時間の質ごと手渡すような力があると思います。たとえば、深い飴釉の湯呑み。冬の朝、そこに注がれる湯気の立つお茶が、静かに体を...

ゆっくりと花と時間を愛でる。春を味わう酒器

はじまりは、小さな気づきから 春の気配を感じると、ふと心がほどけていきます。風が少しだけやわらかくなり、花のつぼみがほころぶのを見るたびに、今年もまたこの季節が巡ってきたのだと、静かに嬉しくなります。 花見と聞くと、にぎやかな宴を想像するかもしれません。けれど、ひとりでゆっくり...