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目で感じる四季折々の器

季節の変わり目に器をチェンジ!

街のウィンドウから、目にするのが、春はピンク色になり、暑くなってくると、海をイメージする青色になり、秋にはしっとりと、柿や栗色に変わり、冬は雪一面にキラキラと、輝くものが混ざると、ワクワクと浮足立った感じが、色から伝わってきますね。

器にも沢山の色があり、種類もあって、その中から好みの物を、私たちは使っています。季節を感じさせる色の器を使って、楽しむことで、マンネリ化させず、同じ料理でも、見た目でかなり変わってきます。

季節の変わり目に、部屋の模様替えをするように、器も変えてみると自分だけでなく、家族も四季を感じることでしょう。

春から夏にかけては、磁器の器を使うと軽やかな感じですが、夏になったら少しガラスの器に変えると、随分涼し気になり、食欲をが増すようになるでしょう。

ちょい足しで、美味しさ倍増へ

季節ごとで、器を変えるのは大変ですが、ちょっとした工夫で季節感を演出できますので、食卓を楽しくしてみてはいかがでしょう。

例えば、1年中食べることの出来る、お豆腐です。
シンプルに「冷奴」お豆腐の色が白いので、白い器に盛るより、冷えてるように見せるなら、青や緑や黒といった色の器に盛ると、お豆腐は冷たさが強調され、器の存在も出て、より美味しそうな「冷奴」に見えます。

さらにここで、真夏にはもうひと工夫します。
先程の色の器に直接盛るより、竹ざるに盛って色つきの器を、受け皿にして出すと、より涼しげで水切りもよくできた、美味しい「冷奴」に早変わり。
竹でできた豆腐差しを添えて、薬味はお好みで、ネギ、みょうが、生姜などを小皿に盛って、ゆっくり味わいたくなる「冷奴」の出来上がりです。

酒呑みには、しばらくの間ゆっくりと、1品のつまみになります。
このざるの組み合わせは、枝豆にも使えます。
使い勝手を、工夫してみるのも楽しいです。

水切りしたい料理や食材は、竹ざるを使うと、余分な水分が落ちシャキッとします。
見た目だけでなく、より美味しく食べることへの、ちょっとした工夫と優しさです。

土鍋の底力を主役にする

「湯豆腐」は小さい土鍋で、出汁醤油を入れた器と一緒に温めると、温かい湯豆腐の世界を堪能できます。

小さい土鍋は、万能で他にも韓国料理のチゲスープや煮込み料理をとんすい*に移して、熱々をふうふうしながら、食べるのもこれがまた、美味しいです!
*とんすい 小さい取手がついた小鉢 鍋料理の取り鉢として使われる

温かくするなら、電子レンジでいいのでは?と思われるかもしれませんが、直火で温められた土鍋は、長時間にわたっての、温かさの持続時間は、電子レンジと比べものになりません。
美味しさの持続にもなりますね。

日本の良さを誇りに思う

日本人が食に対して、食べる人に対して、より良く美味しく、器も一緒に楽しんでもらえたら、日本食の良さと器の良さが、世界に誇れるものとなり、伝わって欲しいと思います。

この記事を書いた人

柴山甲一
酒器の案内人

バーテンダーとして様々な酒や人生と出会い、人生の数だけ酒の楽しみ方があることを知る。「酒の楽しみ方=人生」と捉える目線から、一人じっくり酒を楽しめる器や、誰かとの語らいを楽しむ器など、人に寄り添い人に合わせた“人生を変える酒器選び”をナビゲートする。飲食店などへも、料理人自身が選び切れない器の中から「酒と会話と料理と」を引き立てる器を提供し、その強いこだわりには信頼と定評を得ている。

この記事を書いた人

柴山典子
器人(うつわびと)

静岡の陶器屋の家に生まれ、幼少の頃より家庭用・飲食店用など様々な器に触れながら育つ、器屋生まれ器屋育ちつまり“生粋の器人”。“日本”が誇るもの文化やそれが反映された道具には深い敬意をもち、感動と関心で心の拍手が止まらない。未知に対して興味津々、驚きと笑いを一緒に分かち合えたら嬉しく人との繋がりに日々感謝。「和モノ」のみならずインテリア物は大好物。

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