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娘から父へ。料理に込めた感謝「父の日ディナー」

特別な晩餐への想い

父の日が近づくにつれ、高校生の娘はいつも以上に気持ちが高まっていました。

彼女は普段は恥ずかしさからなかなか言葉にできない感謝の気持ちを、今年こそは行動で示そうと決心していました。
彼女は母親と協力して、特別な父の日の晩餐を計画します。
娘から父親へ、たくさんの「ありがとう」を料理に込めて送る日をつくろう、と。

女子高校生シェフの挑戦

娘はまず、自分の得意な料理と父親が好きな食材を考えながらレシピを練ります。

彼女は普段から母親の料理を手伝っていたため、自信を持って父親に喜んでもらえるメニューを選びました。
彼女の考えた料理は、父親の好みに合わせつつも、彼女自身のアイディアでアレンジされた特別なもの。
家族に振る舞うのは今回が初。

そして、彼女はこれまでの経験とネットで調べたアレンジを融合したり、料理本を参考にして、母親と一緒に試行錯誤を繰り返しました。
娘は新しい料理にチャレンジした味は、きっと父への感謝の気持ちが強く表現できるはずと考えたのです。

家族の笑顔を呼ぶ、娘が選んだ父のためのメニュー

当日。
いよいよキッチンに立った娘はシェフとして料理をスタートする宣言から始まり、母もアシスタントとして協力します。

メニューには、父親が好きな食材や料理がふんだんに盛り込まれていましたが、彼女自身のアイディアで「食べたことない味」を「おいしい」まで引き上げてありました。
何度も施策をして少しずつ見出したレシピが光ります。

テーブルには花を飾り、キャンドルの灯りが優雅な雰囲気を醸し出します。

娘は家族の笑顔が広がることを想像しながら、料理の最終仕上げに取り掛かりました。
メニューは彼女の手によって一つ一つ丁寧に仕上げられ、家中には美味しい香りが広がっていました。

感謝の気持ちが詰まった晩餐には、父親への手紙も用意されていました。

夕食の最後にプレゼントとして渡すことに決めました。
手紙には普段言葉にできなかった感謝の気持ちや父親に対する愛情が綴られている手紙、こんな手紙を送るのは幼稚園ぶりじゃないかな、など思い返します。

夕食が始まり、家族は娘の手料理に舌鼓を打ちながら、楽しいひと時を過ごしました。
選んだメニューは父親の心を打ち、気持のこもった料理で皆、笑顔が絶えません。

食事も一段落し、手紙を父へ渡すタイミングです。
読んでくれ、と父親はいいますが、はずかしいので嫌、と父親に開封させます。

読んだ父親の目は涙でいっぱいになります。
「ありがとう。とても嬉しいよ」と父は言いました。

娘から父へわたされてた手紙や思いを通して、家族皆の絆が深まった事は言うまでもありません。
父にとっても娘にとっても、人生の特別な瞬間となった食卓でした。

この記事を書いた人

柴山甲一
酒器の案内人

バーテンダーとして様々な酒や人生と出会い、人生の数だけ酒の楽しみ方があることを知る。「酒の楽しみ方=人生」と捉える目線から、一人じっくり酒を楽しめる器や、誰かとの語らいを楽しむ器など、人に寄り添い人に合わせた“人生を変える酒器選び”をナビゲートする。飲食店などへも、料理人自身が選び切れない器の中から「酒と会話と料理と」を引き立てる器を提供し、その強いこだわりには信頼と定評を得ている。

この記事を書いた人

柴山典子
器人(うつわびと)

静岡の陶器屋の家に生まれ、幼少の頃より家庭用・飲食店用など様々な器に触れながら育つ、器屋生まれ器屋育ちつまり“生粋の器人”。“日本”が誇るもの文化やそれが反映された道具には深い敬意をもち、感動と関心で心の拍手が止まらない。未知に対して興味津々、驚きと笑いを一緒に分かち合えたら嬉しく人との繋がりに日々感謝。「和モノ」のみならずインテリア物は大好物。

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