
夫婦となって迎えた初めての春。
二人は新婚生活の幸せな気持ちを更に膨らませる行動を決めました。
新婚生活がはじまり、初の春桜デート
春桜のデート作戦を計画を開始。
どの桜の名所に訪れるか、お互いの好みや思い出に残る場所などを考慮し、デートの計画が進んでいきました。
花見前夜のワクワクとすれ違い
桜デートの前日、夫婦は期待と緊張の入り混じった気持ちで一夜を過ごします。
お互いにとって初めての春桜デートに胸が高鳴り、何を着て行こうか、どんなお弁当を持っていこうかと、ワクワク感で一杯の妻から見て、夫の様子は少し期待外れなものでした。
「明日の準備とかもうできてるの?」
できてるよ、と素っ気ない態度であしらう夫に妻は少し不機嫌です。
「なんでそんなに不機嫌なのさ?」と、妻が不機嫌になったことに対して不機嫌になる夫。
その夜は、お互いの思惑と期待と気持ちのすれ違いでぎこちない時間となりました。
春風の中の実行、桜の下でのデート
デート当日の朝。
夫婦は昨夜の気持ちの苛立ちを処理できず、デートの用意を始めます。
春の陽気に誘われてウキウキと桜の名所へ向かうつもりが、どうもしっくりこないまま桜のスポットへ付きました。
並木の下で風に揺れる花びらが、まるで二人の愛を祝福しているかのようですが、気持ちのすれ違いで手も繋げずに来た二人ですが、いそいそとお互いに準備したお弁当を開けてゆきます。
そこには、二人で計画した食事とは違ったお弁当が広がっていました。
手作りも加えながら愛情たっぷりに作った妻のお弁当の華やかさもさることながら、夫も夫で、不器用ながらも工夫を凝らしたお弁当を用意していました。「キッチン私が使ってたのに、いつの間に・・」妻は意外な展開に目を丸くします。
「驚かそうと思って・・」という夫は夜中起きて妻が知らない間にお弁当を作ったと言いました。
お互いの気持ちがズレていた、と勘違いして不機嫌になっていたぎこちなさを笑いながら二人は桜の下で幸せな気分を分かち合います。
心温まるひとときを過ごしました。
夕刻になり、桜が美しい夜桜に変わる頃「そろそろ帰るか」と、二人はこれからの未来に対する夢や希望を語り合い、互いに「何があっても信じよう」と心で誓いながらながら帰路につきます。

この記事を書いた人
柴山甲一
酒器の案内人
バーテンダーとして様々な酒や人生と出会い、人生の数だけ酒の楽しみ方があることを知る。「酒の楽しみ方=人生」と捉える目線から、一人じっくり酒を楽しめる器や、誰かとの語らいを楽しむ器など、人に寄り添い人に合わせた“人生を変える酒器選び”をナビゲートする。飲食店などへも、料理人自身が選び切れない器の中から「酒と会話と料理と」を引き立てる器を提供し、その強いこだわりには信頼と定評を得ている。

この記事を書いた人
柴山典子
器人(うつわびと)
静岡の陶器屋の家に生まれ、幼少の頃より家庭用・飲食店用など様々な器に触れながら育つ、器屋生まれ器屋育ちつまり“生粋の器人”。“日本”が誇るもの文化やそれが反映された道具には深い敬意をもち、感動と関心で心の拍手が止まらない。未知に対して興味津々、驚きと笑いを一緒に分かち合えたら嬉しく人との繋がりに日々感謝。「和モノ」のみならずインテリア物は大好物。