life

豆まきを通して節分を知る

2月の白色の2枚目の扉には、鬼の面が彫られ、開けた扉の向こうには柊と枡に入った沢山の大豆が出番を待っています。

節分の役目

立春を翌日にひかえた2月3日節分の日。暦では2月4日立春、早いもので年が明けて1か月が経過しました。邪気を払って、今年1年の福をお願いします。

玄関には魔除けの効果が高いとされる鬼が苦手な柊を飾ります。まずはここで、鬼をブロックするんですね。

トゲトゲした柊は節分だけでなく、クリスマスの時に飾る柊もやはり魔除けの意味を持っているんでしょうね。

でも、鬼って悪い鬼ばかりではないような気がします。

この鬼の見極めってどうするんでしょうね??? もしかしたら家を守ってくれてたのだったら、豆をまくことで、鬼を追い出してしまったらと思うと、豆をまきながら「鬼は外、福は内」この掛け声も考えてしまいます。考え過ぎですね〜。

この日は、色々な事に感謝しながら豆まきをしようと思います。

子供にとったら豆まきって、お菓子もまかれるからとっても楽しいイベントになっているかもしれません。

不思議と子供も大人もまかれた物を拾うってなぜかテンションが上がりますよね。

豆まきの風習は、病を鬼に見立てることで、厄払いをし、柊が邪気を払う縁起木として、魔除けの効果を発揮してくれます。

節分は、日本の2月に受け継がれていく行事になっています。やはり節分の意味もちゃんと知っておくことだと思います。

節分の教訓

以前節分の日に近くの神社へ豆を拾いに行きました。豆がまかれる時間に行くと大勢の人でいっぱいです。お参りすることなく、ただ拾うためだけに行ったのです。

無我夢中で拾いながらふと上を見上げた時に、まかれた小さい固いお菓子が私の眼球を直撃しました。        当然、豆捨いどころではありません。痛いだけなら我慢しましたが、時間がたつにつれ目が開けていられなくなり、夜ということもあり、 眼科医がいるかどうかもわからないまま救急外来へ駆け込みました。

たまたま当直でいらした眼科医の先生が帰宅しようとした直前に私が滑り込みました。               私のかかりつけの先生だったのです。

節分の日にこんな痛い思いをして、「ついていない」と思っていたものの、帰宅されていたらお会いできなかった先生に、診ていただけるこのご縁に感謝でした。

先生に「この傷は痛かったでしょう、よく我慢できましたね!」と感心された事がこの後「私は我慢強いんだ!!」という変な自信になったのでした。

豆以外のお菓子の固い物は、まかないで欲しいという事もこの時思いました・・・

それから数年後、今度も又節分の後、交通事故に遭いました。「なんてついていない!」と 思ったもの、この事故がきっかけで、身体のメンテナンスをしていただいた整体院とは、今でもお世話になっています。

このご縁も節分がきっかけなのかもしれません。

風習

“今年は◯◯◯の方角を向いて、だまって一気に恵方巻を食べる!いつの頃からかこのような風習が、世の中を駆け巡り、節分=恵方巻になりました。

七種の具材を七福神にかけ、一気に食べることで、「縁を切らない」「商売繁盛の運を一気に頂く」などの意味があるようです。

もちろん元々あった風習ですが、食べる物は恵方巻だけではないという事です。

大晩日同様、 お蕎麦も食べる風習もあります。こんにゃくも体内をきれいにすることから、温かいけんちん汁に入れて、心身共に浄化して心を落ち着かせるのもいいですね。

あまり目にしないかもしれませんが、恵方巻を陶器製の「三方」に盛ることで、今から一気に食べる気合を入れます。

たっぷりのお茶も、恵方巻のお供として用意します。
喉に詰まらせたら元も子もないですからね。無垢なお碗には、けんちん汁を入れて、身体に取り込みます。今年一年いい福が来ますように!
不幸だと思う事が起こっても、同時にご縁がやって来ると思えば、意味のある出来事かもしれないと思います。
お正月から1ヶ月経ったこの時期に、浮足立たないように残りの1年を過ごす戒めのようにも、私は思っています。

 

この記事を書いた人

柴山甲一
酒器の案内人

バーテンダーとして様々な酒や人生と出会い、人生の数だけ酒の楽しみ方があることを知る。「酒の楽しみ方=人生」と捉える目線から、一人じっくり酒を楽しめる器や、誰かとの語らいを楽しむ器など、人に寄り添い人に合わせた“人生を変える酒器選び”をナビゲートする。飲食店などへも、料理人自身が選び切れない器の中から「酒と会話と料理と」を引き立てる器を提供し、その強いこだわりには信頼と定評を得ている。

この記事を書いた人

柴山典子
器人(うつわびと)

静岡の陶器屋の家に生まれ、幼少の頃より家庭用・飲食店用など様々な器に触れながら育つ、器屋生まれ器屋育ちつまり“生粋の器人”。“日本”が誇るもの文化やそれが反映された道具には深い敬意をもち、感動と関心で心の拍手が止まらない。未知に対して興味津々、驚きと笑いを一緒に分かち合えたら嬉しく人との繋がりに日々感謝。「和モノ」のみならずインテリア物は大好物。

記事に関連する器のご紹介