季節の音で夏の朝を感じる、蝉と風鈴。
暑さの中、明け方の浅い眠りから、もうひと眠りという時に、早くから目覚まし代わりに、クマゼミが「シャンシャンシャン」と大合唱。完全に目が覚めてしまいます。
「そんなに、いっせいに鳴く?」と言言いたくなるくらい、オスが一生懸命鳴いて、メスを呼ぶというよりこれは、人間を起こしているとしか思えません。
軒下に吊るしていた風鈴の音は、蝉の声でかき消され全く聞こえず、ただただ、暑さだけを感じてしまいます。
寝ている間に、思った以上の汗をかいていたかと思うと、寝起きの1杯の水を、ゴクゴクと身体に入れていきます。
欲していた水分で、完全に目が覚め、深く息を吐き、身体が起きたことを実感。
「暑いから食欲がない」と、言う事もなく、しっかり朝食をとります。
ルーティンの朝のコーヒーは、欠かせないんです。慌て飲むものではないので、ここでゆっくりと、時間を使います。
お気に入りのカップで飲むと「今日も1日、ガンバレ」って応援されてるように感じるから、不思議ですね。
テレビから流れてくる「今日の天気予報」を聞きながら、その後に、聞いてもすぐ忘れる「今日の占い」を聞いて出かける頃になると、やっと軒下の風鈴の音が耳に入ってくると「いってらっしゃ~い」と見送ってくれてるようで、夏ならではの朝を実感します。
水蓮鉢で涼を楽しむ!夏のメダカ
家の外では、水蓮鉢の中で「ホテイアオイ」が、ぷかぷかと、その下では、親メダカが気持ちよさそうに、スーイスイ。
もうひとつは、水蓮鉢に見立てた、小さな火鉢に水を張り、その中で、子メダカが一生懸命泳ぐというより浮いてます。
この、メダカを子供たちは世話をするのか?夏休みの研究にする?はたまた、メダカのチカラは借りずに、自分で何とかするのかと思っているうちに、あっ!と言う間に夏休みが終わるという、毎年恒例な悲しい結末。
メダカは、そんな姿をよそ目に知ったこっちゃない!です。
子供は「メダカはいいな~宿題がなくて」これもまたお決まりの言葉。
いつものあたり前の光景も、視点を変えるだけで知らないことだらけ。
例えば、水蓮鉢といえばやはり滋賀県の信楽焼(しがらきやき)でしょうね。
信楽焼は大きい焼き物を作る事が得意ですから頼りになります。狸の置物でも有名なところです。
信楽焼をもっと深堀りするのも、きっかけのひとつになるかもしれませんね。
これをきっかけに、色々なデザインの水蓮鉢と巡り会えるのも嬉しいですね。
興味を持ったことから世界が広がる事って身近にたくさんあります。
そんな経験を夏休みに体験するのも子供だけでなく大人も同じで、些細なことから始まることってありますよね。
夏って、チャレンジする機会が多い季節のような気がします。
金魚すくいの夏の思い出
夏まつりで金魚すくいに挑戦してきた子供が、2匹の金魚を持って帰ってきた。
察するに、すくう事ができなかったのを見かねて、お店の人が持たせてくれたのだと思う。
穴の開いたポイまでお土産として持ち帰って来た。
たぶん金魚よりもこのポイに思入れがあったのかもしれない。
何が記念になるかは、わからないものです。お店の人に感謝です。
ビニール袋に入った金魚を、早く鉢に入れ替えたいと思いつつも、水道水を入れた鉢にいきなり入れたりしたら死んでしまうかもと思うと、生き物を飼うということは簡単なことではないと、改めて知るのです。
水換えが終わった金魚鉢には2匹の金魚が泳ぎ回ってます。
ガラスの金魚鉢の縁の青色が、金魚の尾びれのひらひらとマッチしていて、ずっと眺めていても飽きないものです。
日本ならではの金魚鉢は職人技です。
金魚を横目に子供は、きれいに穴の空いたポイを握りしめてすくう練習をしています。
どこにそんな根気強さがあったのかと思う反面、夏が終わる頃にはこの根気が次にどこに注がれるのか未知数に期待します。
この記事を書いた人
柴山甲一
酒器の案内人
バーテンダーとして様々な酒や人生と出会い、人生の数だけ酒の楽しみ方があることを知る。「酒の楽しみ方=人生」と捉える目線から、一人じっくり酒を楽しめる器や、誰かとの語らいを楽しむ器など、人に寄り添い人に合わせた“人生を変える酒器選び”をナビゲートする。飲食店などへも、料理人自身が選び切れない器の中から「酒と会話と料理と」を引き立てる器を提供し、その強いこだわりには信頼と定評を得ている。
この記事を書いた人
柴山典子
器人(うつわびと)
静岡の陶器屋の家に生まれ、幼少の頃より家庭用・飲食店用など様々な器に触れながら育つ、器屋生まれ器屋育ちつまり“生粋の器人”。“日本”が誇るもの文化やそれが反映された道具には深い敬意をもち、感動と関心で心の拍手が止まらない。未知に対して興味津々、驚きと笑いを一緒に分かち合えたら嬉しく人との繋がりに日々感謝。「和モノ」のみならずインテリア物は大好物。